ダンジョン飯のストーリーと密接に関係する翼獅子、正体はいったいなんのか?味方っぽいけどどうなの?敵なの?
最初に登場したときは獅子の姿に立派な翼が生えたどこか可愛げのある動物だったのですが、話が進むにつれて可愛くなくなってしまいました。

ダンジョン飯に出てくる翼獅子、ギャグっぽい登場で最初は可愛かったしクスッと笑える場面がありました。けど…。
- 翼獅子という言葉が初めて出たシーン
- 翼獅子がライオスたちに近づいてきたシーン
- 迷宮内にある翼獅子のモチーフ像
- 翼獅子の正体
ダンジョン飯の翼獅子プロフィール

翼獅子について、ネタバレなしのプロフィールが次のような感じです。
翼獅子のプロフィール
本名:決まった名はないが翼獅子と呼ばれている
年齢:不明(老いないので年齢という概念がない)
人種:現時点では不明
出身:最初は小さな光だった
身長:自由自在
移動範囲:迷宮内から出ることができない
弱点:封印されている2冊の本
ダンジョン飯の翼獅子のかわいい正体とは?【ネタバレなし】

ダンジョン飯で初めて翼獅子(よくじし)の名前が出てくるのは7巻、迷宮内の幽霊によってライオスたちは黄金郷へ案内されます。
黄金郷では住民たちが迷宮内とは思えないほどの広大な土地で畑を耕し、家畜を養殖し、平和に暮らしています。(ただし、狂乱の魔術師によって不老不死の呪いがかけられており、住民は老いることも死ぬこともありません。)
最初の頃は、有翼の獅子とも呼ばれていました。
引用:ダンジョン飯7巻114P
ここで言う”祖父”というのはダンジョン飯の1巻で地上に出てきた黄金郷初代の王であるデルガルのことです。(1巻の冒頭はここから始まっているんですね。)
翼獅子は黄金郷の守護獣として崇められていて、未来を予言する力を持っており、黄金郷の住民たちは守護獣である翼獅子の予言の言葉を信じている。
ライオスが迷宮内の黄金郷に訪れた際には、住民たちはライオスのことを「狂乱の魔術師を打ち倒す者」として接しており、自分達をこの終わることのない迷宮での生活から解放してくれる救世主だと思っています。
翼獅子のモチーフは、文字通り翼が生えた獅子の姿をしていて、迷宮内の至るところにさりげなく登場しています。
これは、この黄金郷が翼獅子を守り神として称えているからなんですね。
引用:ダンジョン飯9巻サキュバス編
きっと、守り神として称えているからこそ、翼獅子は翼獅子の姿へと変えたんだと思います。
(これ以上言うとネタバレを含むので、まだ読んでない人はコミックスを読んでくださいね。)
ダンジョン飯の翼獅子がライオスたちと接触し始める【ネタバレなし】

翼獅子は封印されている自分を解放してもらうために、ライオスたちに接触し始めます。
印象は薄いですが、一番最初に翼獅子と接触したのはマルシル。
睡眠中の人間に取り憑いて悪夢を見せ、衰弱させて死に至らせる魔物である夢魔(ナイトメア)によってマルシルが夢から抜け出せなくなったとき。
ライオスはマルシルを助け出すために、マルシルの夢の中に入ります。
夢の中のマルシルは、まだ幼い子供の容姿だったので、年齢ではなく精神がまだ未熟であることがわかります。
マルシルが恐れているものから必死に逃げているところにライオスと遭遇するも、幼いマルシルはライオスが仲間だと知りません。
このマルシルが恐れているものこそ、「食べることは生きること」と、ダンジョン飯のもうひとつのテーマだと考えられます。
というか、私はそう感じています。
引用:ダンジョン飯6巻
夢の中で異形のものに襲われ、ライオスが取り込まれようとしている、まさにそのとき!
マルシルが助けようと異形のものに手を突っ込んで掴んだもの、それは本でした。
これこそが翼獅子が封印されている2冊の本のうちの片方だったんです。
ダンジョン飯の翼獅子がついに姿を現した【ネタバレなし】

ライオスたちは迷宮内の水場で休憩をすることにしたが、その水場は精気を吸い取る魔物「サキュバス」の巣だった。
サキュバスの魅力的なワナによって、ひとり、またひとりと精気を吸われて倒れていくライオスたち。
イヅツミの活躍により、サキュバスを撃退したあと、ライオスは倒れている間に翼獅子の夢を見たことを仲間に話し始めます。
ライオスは”ギガヘプタヘッドマルシル”に遭遇し、噛まれて気絶します。
その夢の中で翼獅子が現れるのですが、その第一声が「お前はバカなのか?」でした。
引用:ダンジョン飯9巻
いや、確かにこの直前のやり取りを見てたら、翼獅子と同じこと思いますけどねw
ライオスは臆することなく、翼獅子と話し始め、ここで初めて翼獅子の全身が現れます。
翼獅子曰く、「自分には決まった名や姿はない」とのこと。
このことから、暗に「人が望む姿に自分はなることができる」ということを示唆しています。
引用:ダンジョン飯9巻
ライオスからすると初対面となる翼獅子ですが、この時点でライオスは迷宮の核心である狂乱の魔術師と翼獅子の両方と会っていることになります。
ここで再確認しておきたいのが、ライオスたちの目的です。
ライオスたちはレッドドラゴンに食べられてしまったファリンを救うために深層へ向かっていました。
引用:ダンジョン飯9巻
ファリンは狂乱の魔術師に操られてしまっていることがわかったので、狂乱の魔術師を倒す方法を探し始めます。
そして、翼獅子は狂乱の魔術師シスルによって本の中に封印されてしまっているので、自分の封印を解除してくれたらシスルを倒すための協力をするとライオスに持ちかけます。
ライオスたちの目的をケン助を通じて知っていて、知った上でライオスたちにとって都合のいい情報を提示するあたり、話術に長け、人の心をよく理解しているようです。
ライオスが迷宮の主になるように語り掛け、ライオスが目指す迷宮の形をイメージとして見せます。
このときに、おもしろい描写があります。
翼獅子が、ライオスが食べたバロメッツの実を欲しがるシーンですが、翼獅子に食欲があり、もう何年も(もしかすると何百年も)何も食べていないようです。
翼獅子は、何を食べるんでしょうね?
引用:ダンジョン飯9巻
ライオスに見せた理想の迷宮の姿は、ライオスの望むものであったためか、ライオスはこの世界を実現してみたいと思うようになります。
迷宮の主になれば、何でもできる何でもなれる代わりに、そこで暮らす人々の生活や魔物との関り、いろんなことを考えていかなければなりません。
引用:ダンジョン飯9巻
ライオスの目には、そんな苦労も含めて、より良い未来が見えていたのかもしれません。
ライオスはストーリーの冒頭から魔物に興味を示し、味を知りたくなり、魔物と共に暮らす未来を夢見ていたので、翼獅子の見せた理想の世界に納得してしまったんですね。
ダンジョン飯の翼獅子の可愛くない真の正体【ネタバレあり】

翼獅子の真の正体を先に言ってしまうと、世界の魔力が意思を持ち、形を得た、人の欲望を食べる悪魔です。
迷宮の中を自由自在に変えたり、無から有を生み出すほどの強大な力を持ちながら狂乱の魔術師シスルの言うことを聞いていたのは、悪魔は人の欲望を叶える存在であり、その欲望が最大になったときに食べようとしているから。
つまり、悪魔は魔力そのものであり、翼獅子という姿を借りて迷宮に入り込んだ生物と意思疎通を図るために形成された人格ということ。
迷宮の最下層、狂乱の魔術師シスルの自宅にて、カナリア隊に追い込まれたマルシルは隠し持っていた翼獅子を封じた本2冊の封印を解きます。
引用:ダンジョン飯
そこから出てきたのは何とも可愛くない(むしろ禍々しい)悪魔を連想させるに十分なビジュアルをした翼獅子でした。
しかし、この時点ではまだ迷宮の主はシスルのままなので、マルシルを守りこそすれ、命令を聞く状態ではありません。
翼獅子の正体は無限の魔力を扱う悪魔なので、人間の欲望を叶える形でしか魔力を存分に行使することはできません。
引用:ダンジョン飯
マルシルを追い込んでいたカナリア隊のミスルンは、間髪入れずに翼獅子へ攻撃を始めます。
転移術を使って串刺しにし、絵画の額縁ごと首に転移させて首を落としても、翼獅子は余裕の表情(あっ、顔がありませんでした。)でミスルンをけん制します。
もうここまでくると、全然可愛くない!
悪魔の醜悪な感じがもう全開で出てきてしまっていて、「えっ、翼獅子ってめっちゃ悪者じゃない?」と読者も気づき始める頃です。
引用:ダンジョン飯
カナリア隊のミスルンを吹き飛ばし、迷宮の主となったマルシルを守護しながら、翼獅子はライオスたちと会話します。
悪魔は”人の欲を糧に成長する”という性質を持った生き物であり、それ自体に悪意があるものではない。
人の欲を食べるために形成された人格は最も効率よく欲望を引き出し、何をしたら人が喜び、どうしたら嫌がるのかを学び続きてここまで成長してしまった。
悪魔はただひとつの個体としての翼獅子だけでなく、迷宮によって姿かたちが違うようです。
確かに、ミスルンの欲望が食べられたときはヤギの容姿をしていました。
そして、世界中の迷宮の悪魔は、別人ではあるが、根本は同じで記憶を共有しているとのこと。
これって、情報収集力が半端なくて学習能力も応用力も高くなるので、人間の知恵と工夫では太刀打ちできないように思えてきますよね…。
引用:ダンジョン飯
翼獅子という悪魔は、人の欲望を食べてしまうと廃人のようになってしまうため、効率よく欲望を食べ続けるために世界を丸ごと飲み込みたいという野望をライオスたちに明かします。
その悪魔の世界では、迷宮の中のように願えば叶うという世界が広がっているので人間の欲望をずっと叶え続けることができる。
悩み苦しみ、辛く不幸なことが(きっと)ないような世界にできると翼獅子は言います。
引用:ダンジョン飯
もうほんと、悪魔の囁きにしか聴こえませんよね。
物凄くいいことのように聴こえますが、シンプルに「自分がお前たちを食べ続けたいから何でも叶う世界で家畜として飼ってやる」そう言ってるんですよ翼獅子は。
ライオスは迷宮の主となってしまったマルシルを救うために、悪魔を倒すことを決意します。
というか、欲望的に言うと、悪魔を倒すという欲望を強く持ちます。
もちろん、翼獅子だって黙って倒されるわけはありません。
かかってこいと言わんばかりにライオスたちを丸呑みしようと巨大化するのです。
引用:ダンジョン飯
うわぁ…悪魔そのものですね。
この記事前半の可愛い感じはどこに行ってしまったのやら。
こんな巨大な悪魔に立ち向かう術はあるのか?
ライオスはどうするのか?
ぜひぜひ、コミックスを読んで楽しんでください。
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